本当に虫歯予防になるの?キシリトールの効果を解説します。

みなさん、こんにちは。五反田エヌ・エイ歯科です。
虫歯予防の成分として、ガムなどに含まれる「キシリトール」。テレビなどで名前を聞いたことがある方も多いかと思います。
ですが、実際にはキシリトールとはどのようなもので、どのような効果があるか皆さんご存知ですか?

今回はそんなキシリトールの効果について紹介します。

キシリトールとは

キシリトールは、糖アルコールという糖質の一種で、野菜や果物に含まれている自然の甘味料です。
糖アルコールの中で最も甘く、砂糖と同じ甘味度を持っています。

キシリトールは溶ける時に熱を奪うので、口に含むとスーッとした冷たい感覚があります。
そのため、ミントの味によく合うことから、キシリトールを使ったお菓子には、ミント味が多く見られます。
また、果物の味をより新鮮にする効果や、苦味を消す効果もあります。

キシリトールは虫歯にならない?

キシリトールを始めとする糖アルコールは、むし歯の原因になりません。
糖アルコールからは、口の中で歯を溶かすほどの酸は作られないからです。
ソルビトールやマルチトールからは、少量ですが歯垢(プラーク)中で酸ができますが、キシリトールからは酸は全くできません。
また、キシリトールの方が甘みが強いので、その甘味により唾液も出やすくなります。

酸を作らないこと、そして、唾液の分泌を刺激して酸を中和することが、キシリトールがむし歯の原因にならない理由です。

キシリトールの虫歯予防効果は、“キシリトール先進国”のフィンランドや世界保健機関(WHO)などの研究でも実証されています。
日本歯科医療管理学会で報告された研究結果によると、北海道小樽市の幼稚園児136人を対象に、キシリトールガムを摂取する群としない群に分けて、20カ月間の虫歯の増加数を比べたところ、ガムの摂取量が多いほど虫歯はできにくくなったそうです。

キシリトールは虫歯の進行を抑える?

キシリトールには、「むし歯の発生や進行を防ぐ」という、他の糖アルコールにはない特徴的な効果があります。

キシリトールをガムやタブレットの形で一定期間以上口の中に入れると、むし歯の原因となる歯垢が付きにくくなるだけでなく、歯の再石灰化を促し、歯を固くします。
さらに、キシリトールには、むし歯の大きな原因であるミュータンス菌の活動を弱める働きも持っています。
ミュータンス菌はキシリトールを分解することができないため、酸を作り出すことができません。
そして、ミュータンス菌はキシリトールをどんどん取り込むので、糖代謝が阻害され、ミュータンス菌の働きが弱くなります。
そのため、長期的にキシリトールを取り込んでいるとミュータンス菌の繁殖力が弱まり、虫歯のできにくい口腔内の状態になると言われています。

このような働きは、他の甘味料には見られない、キシリトールだけの効果です。

まとめ

今回は、キシリトールは摂取しても虫歯にならないこと、虫歯予防に効果があることについて説明をしてきました。
しかし、キシリトールを摂取していれば虫歯にならないわけでも、虫歯が治るわけでもありません。
同時にミュータンス菌が好む糖を含む食品を摂取していると虫歯になってしまうこともあります。

キシリトールはあくまでも補助的な予防であって、虫歯をきちんと予防するには歯磨きなどのケアが大切です。
糖分の入ったお菓子や飲み物(ジュースだけでなく、コーヒーや紅茶も)を口にしたら、なるべく口の中に糖を残さないようにしましょう。
その上で、キシリトールを摂取するとより一層、虫歯の予防効果を期待することが出来るのです。

 

参考:

歯とお口のことならなんでもわかるテーマパーク8020
キシリトールで虫歯にならない!? 
キシリトールは虫歯にならない?