虫歯になりやすい習慣・食べ物について
こんにちは。五反田エヌ・エイ歯科の院長、増村です。
今日は「虫歯になりやすい豆知識」のお話しをしようと思います
今までに歯を磨いているのに、虫歯になってしまった経験はありませんか?
甘いものも控えていたのに虫歯になってしまった人も少なくないと思います。
実は、毎日歯を磨いていても、虫歯になりやすい習慣があるのです。
ポイント1
だらだら食い、晩酌の習慣、寝る間際まで飲食していませんか?
どのような時間であれば、飲食をすると、お口の中は酸性に傾き、時間が経つと(唾による緩衝作用で)中性に戻ります。
この酸性に傾いた瞬間が虫歯にとって危険な時間。この時に歯はわずかに溶けています。(専門用語で脱灰といいます)
人間の体とは面白いもので、これには対抗策をもっています。唾にはカルシウムを再び歯に取り込む(再石灰といいます)機能が備わっているのです。
しかし、だらだら飲み・食いをしている、とお口の中が中性に戻ることがなく、ずっと酸性の状態になってしまいます。
すると再石灰化が追いつかず…歯がずっと溶けていき、虫歯が出来上がってしまうのです。
さて、次は「寝る間際の飲食」について。
虫歯にならない為に唾が大事な役割をを果たしている事はご理解頂けたかと思います。
頼りになる唾液ですが、睡眠中は唾の分泌がとても少なくなります。
- 食事中 1分間に約4ml
- 安静時(起きて食べてない時)1分間に約3ml
- 睡眠時 1分間に約0・1ml
安静時より唾の量が1/30に減ってしまい、この間の歯の修復はあまり期待できない為、寝る間際の飲食は歯を磨いていても虫歯になるリスクが高くなってしまいます。
ポイント2
虫歯になりやすい、なりにくい飲み物がある事を知ろう!
歯は「脱灰」により虫歯になりやすくなります。
脱灰とは簡単に言うと、歯に含まれるミネラルが溶け出してしまう事です。
結果として歯が弱く、脆くなってしまいます。
それでは、どのような状況で脱灰してしまうのでしょうか。
「歯がどんな素材に溶けやすいか」事を調べると、それが理解できます。
- エナメル質(歯の一番外側の組織)はpH5・5以下で脱灰しはじめます
- 象牙質(エナメル質の内側の組織)はpH6・0〜6・2で脱灰しはじめます
- *中性はpH6・8〜7・0です(お口の中は普段は中性に保たれています)
つまり、PH値が低い飲み物…酸性の飲み物は虫歯になりやすいのです。
ただし、歯を含めた全身の健康を維持するには、バランスの良い食事が大切です。
「虫歯になりやすいからその食材を避ける」のではなく、虫歯になりやすい食材を意識することで、食後の歯磨きを習慣づけるようにしましょう。
虫歯になりやすい飲み物リスト(pH2〜5・5の飲み物)
PHの観点から、虫歯になりやすい順にならべてみました。
コーラ、オロナミンC、レモンサワー、梅酒、ハイボール、黒酢ドリンク、カルピス、ポカリスウェット、ヤクルト、野菜ジュース、白ワイン、赤ワイン、
100%オレンジジュース、ビール、焼酎、日本酒、コーヒー、シュガー入りストレートティー
逆にPHが高い、アルカリ性の飲料は「歯にやさしい」という事になります。
虫歯になりにくい飲み物リスト(pH6・0〜7・3の飲み物)
虫歯になりにくい順にならべてみました。
豆乳、水、牛乳、緑茶→水より豆乳の方がpHが高いのは驚きですよね!
ポイント3
砂糖だけでなく、醗酵性糖質にも注意
醗酵性糖質ってなに?
ブドウ糖のことです。お米、パン、はちみつ、芋類など、ポテトチップスも含まれます。
- 果糖→果物
- ショ糖→砂糖
- 麦芽糖→お米、芋類など
- 乳糖→牛乳、ヨーグルトなど
まとめると炭水化物に分類されるものは大体が醗酵性糖質ですが、体に必要な栄養素である事は間違いありません。
無駄に醗酵性糖質を摂らない、という程度で良いでしょう。
お勧め食品
醗酵性のない糖質→キシリトール、エリスリトールなど
そもそも糖質を含まない食品→チーズ、お肉、お魚、お野菜など
まとめ
ポイントを読んでいただくとわかるように、例えばレモンサワーやハイボールを飲みながら、おつまみにポテトチップスを食べるなどの晩酌を寝る直前までしていると、歯を磨いていても虫歯になるリスクが高くなってしまうのです。
普段皆様がよく飲むもののpHはどの位でしたか?気づけば醗酵性糖質をよく食べていた、という方も多いのではないでしょうか。
とは言っても食べたいもの、飲みたいものを美味しく頂きたいですよね。
「食事の後は必ず歯磨きをしてください」
と様々な歯医者さんが言っているのはそのためです。
そう…
「歯に良い食べ物だから歯磨きしなくて良い!」
という事もありませんので、その点だけはご注意くださいね。